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【組織開発・リーダーシップ】強い組織風土づくり

声を上げることが出来ない組織

自分より上位の立場、職位の人に対して、「それは間違っているかもしれません」と意見を述べることができますか?と問われたら、どれくらいの人が Yesとこたえるでしょうか。目上の人に対して、率直に進言できる人は、少ないのではないでしょうか。

さまざまな企業、組織の問題が日々ニュースで流れてきます。現場事故、不良製品流出、データ改ざんなど、後を絶ちません。メディアによる表現のみを知り、経緯や真実は私にはわかりません。たいていの場合、責任者が陳謝し、「原因究明に努め、再発防止にむけてしかるべき処置をとる」ことを明言されている映像が流れます。その景色を見るたびに、表面化されている問題だけではなく、組織風土の課題が根底にあるのかもしれないと、そのたびに想像が巡るところです。

間違いや、事故の可能性に気づいた誰かが、声を上げることができたなら、またはその声を拾い上げる人がいたならば、未然に防ぐことができた問題が、世の中には多く存在しているに違いありません。

 

上に向かう円滑なコミュニケーション

組織心理学の権威であるエドガー・H・シャイン氏は、上の立場にある人ほど、「謙虚に問いかける」ことをしなければならないと述べています。「現場から上に向かう円滑なコミュニケーションがあってはじめて組織は力を発揮し、安全を確保することができる」( 問いかける技術, エドガー・H・シャイン著, 英治出版, 2014, p22)。

たしかに、上の立場の人のはたらきかけは重要だと感じます。誰に対しても臆することなく、意見をいうことができる人もいますが、特に日本企業の組織においては、いまなお少数派かもしれません。上司から、「なんでも言ってくれ」といわれても、なかなか難しいと感じる人の方が多いですね。また、正直に伝えたがゆえに、当の上司から叱責を受けたり、嫌われたり、あるいは不利益な評価を受けたりする結果に陥るケースもあります。

・現場から、自由闊達に、アイデアや意見が上がってくる組織風土づくり

・下の立場の人が、安心して、問題や改善点を報告、提案できる組織風土づくり

これらは、強い組織をつくっていくうえで欠かせないことです。とくに、誰もが「安心して話せる環境」は、とても重要だと考えます。

 

正しいリーダーシップ

安全で強い組織をつくっていくためには、上に立つ人の正しいリーダーシップが不可欠です。「周囲の人々の協力無くしては、自らの仕事も成立しない」ということを、上に立つ人は十分認識する必要があります。

 

『はだかの王様(ハンス・クリスチャン・アンデルセン)』の話を思い出します。

この記事をお読みいただいているリーダーの方へ、

—自問してみてください。

・はだかの王様になっていませんか?

・多くの声が、自分のもとに届く風土が醸成できていますか?

・反対意見、間違い、そして気付きを伝えてきてくれるひとたちを、大切にしていますか?

 

 

村上紀子