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【傾聴と対話】伴走支援メソッド

■経営力再構築伴走支援

中小企業庁は、令和4年3月、中小企業・小規模事業者に寄り添った望ましい支援の在り方の検討を進め、「経営力再構築伴走支援」として打ち出しました。今年6月には、「経営力再構築伴走支援ガイドライン」*1を策定しています。そのなかでは、支援者のあるべき姿勢として、「傾聴と対話」が重要であると提唱されています。それを受けて、支援機関においても、「傾聴と対話」型の支援へ焦点を置き、様々な取組みが成されているところです。

関連して、「傾聴と対話に基づく支援」についての講座を依頼されることが増えてまいりました。

■傾聴と対話に基づく自走化への伴走支援メソッド

「傾聴と対話」に関して言えば、今に始まったことではなく、支援者にとっては従来より最重要であるとされてきました。しかしながら、いまこれほどまでにクローズアップされるのには、やはり理由が在るのだと感じています。

事業・組織への支援においても、ひとへの支援においても、「本質的な支援」が求められるようになってきているからです。課題解決のための「ソリューション(こたえ)」を与えるだけでは、持続可能な、また自走化可能な支援が出来ません。事業者や当事者が、自ら課題を発見し、自ら解決しようとするところへの、本質的な支援が望まれています。

 

私事ですが、2019年に創業者の方々への支援の功績を評価していただき、中小企業庁より「平成30年度創業機運醸成賞」を受賞しました。その際に作成された受賞事例集があります。

創業機運醸成賞事例集「村上紀子」

そのなかで、「まず傾聴。傾聴を通し相談者の環境、創業フェーズ等情報収集後、共に具体的な課題整理とビジョンの明確化を行うことにより、相談者自身の内発的な課題解決へ向けての意志と行動、モチベーションを引き出す」との記述があります。実際に、心掛け、実践していたことでした。

現在、「傾聴と対話に基づく支援」に関連する講座では、この端的なフレーズを体系的且つ具体的に示した「傾聴と対話に基づく自走化への伴走支援メソッド」として構成し、フェーズ毎(7フェーズ)の目的、留意点、要点等を、用いる技法も含めて再現性高くお伝えしています。傾聴力を高め、対話の質を向上させることにより、真の課題発見、適切な課題設定へと導きます。

 

真の課題設定と本質的な支援

傾聴、対話、そして自走化への伴走支援は、企業組織へ対する経営支援において適用する以外にも、ひとへのキャリア支援や人材育成においても適用することが可能です。特に部下育成、リーダーシップ開発等にも活用されます。

傾聴と対話は、事業者や当事者の本音や彼等自身が気付いていない真の課題を引き出します。具体的な技法として、問いかけ・要約の技術や、言語化・可視化の技術等が必要となります。そして忘れてはいけないことは、心理的安全性を確保し、信頼関係構築への純粋な努力をすることが大前提にあるということです。

 

支援者が専門的知見や技術、あるいは経験値を有することは、当然のことであり、昨今ではさらに「傾聴力」、「対話力」、「共感力」、そして「モチベーションを引き出す力」が求められているのです。

 

村上紀子

 

参照1)「経営力再構築伴走支援ガイドライン」

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