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【女性活躍】経営における本質的な女性活躍推進

女性活躍推進法施行後、「女性活躍推進室」(ダイバーシティ・インクルージョン推進室、ダイバーシティ推進室など名前は様々ですが、その多くは女性活躍推進法に基づく取組みにとどまっているケースが多く見受けられます。)を設置する組織が増えてきました。開設前後のご相談を多くお受けします。

なぜ今女性活躍推進なのか、なぜ今働き方改革なのか、その意義を理解された上で取組まれている例は少ないのが現状です。法の遵守、義務努力ゆえの推進・改革はスピードも遅く、成果にも繋がりにくく、やがて組織も個も疲弊してきます。

「ダイバーシティ経営」とは何なのか、まず理解していただくことからはじめています。ダイバーシティ経営を理解すると、「女性活躍推進」、「働き方改革」、そして現在の議論の焦点でもある「外国人材受け入れ制度見直し」の意義目的が同時に視えるからです。

何のための「女性活躍推進」なのか、意義目的が明確になることにより、本質的な取組みが可能となるのです。

義務感でデータを拾い、義務感で数値目標を設定していませんか。体裁を整えられそうな行動目標を形式的に提示していませんか。本人意志確認の上で人員配置が実施されているでしょうか。数合わせで管理職に就いた女性社員には「役職者になんかなりたくなかった」と嘆いているケースも見受けられます。本末転倒ですね。

女性活躍推進の意義を理解し、経営成果に繋がる本質的な取組みに。女性活躍推進室を設置したものの、殆ど機能せず右往左往していたクライアント企業様も風土に合った推進室に成長されました。推進室メンバーも、女性社員もいきいきと。

女性社員がいきいきと活躍されている企業では、男性社員も当然ながら活躍されていらっしゃいます。実はこれは、女性活躍推進の意義項目のなかのひとつにつながります。実際男性女性問わず(あえてここではジェンダーのみに言及します)能力を発揮できている企業が高評価を得る(経営成果を高めている)結果となっているのです。関連し述べると、欧米でESG投資が増大しているように、日本国内でも女性活躍に関する投資、融資商品が目立つようになりました。なでしこ銘柄はよく知られていますね。数値、指数成果が示されており、(本質的な)女性活躍推進の上位に経営的成果が存在することを理解できる要因の一つです。

女性活躍推進は、ダイバーシティ・インクルージョンの一部に過ぎません。しかしながら日本企業において重点課題でありダイバーシティ経営に向けての通過点となっています。本質的な取組みが成される「女性活躍推進室」がこれから、増えていくことを願っています。

村上紀子