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女性管理職は確かに増えた、その実態は?

2016年「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」施行以降、政府主導で様々なシーンにおける女性活躍の推進が促進されてきました。組織においても、事業規模により義務、事業努力の差があるものの、段階的に取り組みの義務化が拡大されてきています。

 

その後の改正法成立により、2020年4月には、一般事業主行動目標策定の方法が変更、施行されました(常時雇用する労働者数が301人以上の事業主)

・女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供

・職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備

2つの区分ごとにそれぞれ1つ以上の項目を選択、数値目標を定め、行動計画の策定届を届け出なければいけません。また、2020年6月には、女性活躍推進法に関する情報公開の方法も変更、施行されます。新たに設定された2つの区分から、それぞれ1つ以上の公示をする必要があります。さらに、2022年4月には、「一般事業主行動計画の策定・届出義務および自社の女性活躍に関する情報公表」の義務の対象が、常時雇用する労働者101人以上の事業主に拡大されます。(参照;厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000594316.pdf

 

実態は……、

企業は、それぞれに目標値を掲げ、女性活躍推進室やチームを結成するなど、取り組みを進めてきました。経営陣のトップダウンで本質的な取り組みが行われている組織と、数値目標公示義務の順守にとどまっている組織、まちまちです。「女性活躍推進」に関して、ご相談を受ける場合、経営層の声と、当事者である女性管理職(あるいは候補者)の声の間に、大きくギャップがあることがしばしばです。結論からいうと、経営改革は、経営層からのトップダウンでなければ早期実現は厳しいと考えます。女性活躍推進法に限らず、働き方改革も、そのほかさまざまな経営革新は、トップリーダの判断力、スピード、そして求心力が求められます。その改革を実行する明確な意義・目的と行動指針を、経営陣の声として組織内へ届け、目的の共有をはかることにより、経営の目的が個の目的と成り得るのです。人は、自らの意志が働かなければ、行動しません。

 

先日、女性管理職候補の方とお話しする機会がありました。大企業であり、早期に女性活躍推進室も設置され、すばらしい取り組みをされていると伺える企業に属されています。

「職場にロールモデルのような人は、たしかにいるけれど、自分のこととしてイメージがわかない」「上司(男性)は、『管理職にしてあげているのだから、しっかりやってほしい』というが、違うような気がする」……など。おそらく、このような状況が日本の企業において、少なからず発生しているのではないかと、危惧を抱きました。

 

組織には、本質的な取り組みが求められます。そして、組織には個の力を集束し、力強く企業を成長・進化させ、社会そして働く個人へ影響力を発揮していく使命があります。形式的な取り組み、形式的な目標、形式的な言い訳から脱却して、本質的な女性活躍推進を。

 

働く個人には、自身の人生設計含めた仕事の意義、自身の役割の認識、そして自身の価値観をとらえたうえで、仕事への取り組み方や目標を設定していくことが求められます。お仕着せでない働き方をしなければ、心も身体も疲弊してしまいますね。また、自身の振り返りと厳しいフィードバックも必要です。もし、それが本当に順当な昇格だと思えないとしたら、とことん自己と向き合うべきです。最終的には、自分の選択でみな、行動しています。誰のせいにすることなく、自分の選択として受け入れたのであれば、努力をするべきです。「なりたくて、管理職になったわけではない」を、言い訳にしていませんか。

働き方は手段

みな、状況や立場が違います。組織は多様性ある人々の集団です。新型コロナウィルスの影響で、働き方の変化が急速に生じました。さまざまな働き方が今後一層受け入れられていくことと思われます。働き方は、手段です。いろいろあってよいのです。目的をひとつにして、集結し、力を発揮していく、そんな本質的な取り組みがあちらこちらで、見受けられるようになることを願っています。

 

村上紀子