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【リーダーシップ】リーダーが守るべき大原則

トップリーダー、チームリーダーを問わず、リーダーが守るべき大原則があります。常に意識的に心がけておくべきこと、それは「安心、安全な場所をつくること」です。

1.物理的安心・安全の維持、整備

衛生面も含めて、身に危険を感じるような場所では、高いパフォーマンスを発揮することはできません。また事業者には、「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに、「快適な職場環境を形成する」目的で制定された労働安全衛生法が施行されており、労働安全衛生規則が定められています。

チームの大小を問わず、リーダーは、フォロワー(メンバー)が気持ちよくはたらける場所を常に維持できるように配慮し、欠如している要因があれば速やかに整備していかなければいけません。

2.心理的安心・安全の維持、整備

ハラスメントを起こさせない環境整備は当然のこととして、最も注力するべきことは、「気づきや意見、または相談を安心して言える場所をつくる」ことです。いいかえれば、「気持ちに安心感を与える」ことです。1.の「物理的安心、安全の維持・整備」や、「ハラスメントを起こさせない環境整備」は、基本中の基本であり、広く認識されている事項でもあります。しかし、「気づきや意見、または相談を安心して言える場所をつくる」ことや「気持ちに安心感を与える」ことは、見逃されていることが多いのではないでしょうか。

 

1)組織内で、気づきや意見を安心して発言できる風土(チーム)づくり

安心して自由に発言できる場所の創出が、健全な組織や関係性を構築し、結果的に成果を高めます。関連記事

2)安心して行動できる指針の共有

フォロワーは、誰に向いて(誰のために)働いていますか?

上司に叱られるから、たとえ顧客のためになることでも行動することができない。上司に叱られるから、マニュアル通りの行動しかできない。上司に叱られるから、間違いだとわかっていても命令通りの行動しかできない。

このような風土に陥っていないでしょうか。リーダーも、フォロワーも、従うべきものは共通のビジョンであり、目指すべきは共通の目標です。大義が存在しているはずです。

リーダーは、明確な指針を共有し、皆が目標に向かい安心して行動できる風土の創出をしなければなりません。明確な信頼性ある指針が存在すれば、人は安心して行動できます。部下(フォロワー)が、都度上司(リーダー)の顔色ばかり見て働いているようでは、正しい行動も、良い仕事も生まれません。

歴史的事例の一つに、ナチス・ドイツの命令に従い、ホロコーストに加担した人々が挙げられます。裁判では「上の命令に従っただけである」と、最後まで罪意識の言葉がなかった人もいます。空気による支配と言えます。

私たちの身近なところでも、「上の命令に従って」本来はやるべきでないことを行っている、または、本来はやるべきことを行っていない事象が、大なり小なり生じているのが現状です。命令に従わざるを得ず、本来やるべきでないことを行い、罪悪感と闘いながら精神的苦痛に追い込まれている人々も少なくないのではないでしょうか。

 

リーダーが、取るべき行動、心がけるべきこと、そして求められる資質は多くあります。しかしながら、「安心、安全な場所をつくること」は、「出来る、出来ない」ではなく、リーダーがまず心得て、守るべき大原則なのです。

 

村上紀子