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【組織開発】経営戦略としての人材マネジメント

人材マネジメント:「人材開発」の目的

人材マネジメントのなかの重要な構成要素である「人材開発」。組織において、人材開発の目的は何でしょうか。3つの主要目的を挙げます。

1.経営戦略の実現(生産性向上)

2.組織文化醸成に貢献する

3.個のライフ・キャリア構築に貢献する

その達成のために、どのような取り組みがなされているでしょうか。3つの主要項目を挙げます。

1.人材教育研修(OJT/OFF- JT)

2.自己啓発推進

3.包括的人材育成のしくみづくり

 

多くの企業・組織において、これらの認識のもと、「人材開発」が行われてきました。成果が出ているでしょうか。その前に、人材開発の成果を、どのように評価しているでしょうか。先に挙げた、人材開発の目的から考えると、以下の3点が満たされている必要があります。

1.経営戦略の実現が、果たされている

2.組織が健全に機能している

3.人が、活き活きと働いている

 

つぎに、2つの報告データをご紹介します。

1.「仕事満足度・やりがい」調査結果:日本は世界最下位(参照;Indeed社「世界仕事満足度調査」(2016))

2.米国ギャラップ社「熱意あふれる社員の割合調査」:日本は調査対象139カ国中132位(参照;経済産業省 産業人材政策室「参考資料集」(2020))

これらのデータが示すまでもなく、多大な労力・時間と経済的コストを投じて獲得した人材が、数年内に退職していく現象が継続的に起こり、危惧している組織は少なくありません。残念ながら、人材開発の成果が出ていないと言わざるを得ない状況です。

 

今後、個の価値観や人の働き方は、一層変化が加速します。

・「人材教育研修」や「自己啓発推進」のやり方は、変化しましたか?いまだに、「例年通り」のやり方をしていないでしょうか。

・組織内での有機的な人材育成のしくみや文化が、進化しましたか?人が育ち、建設的意見が飛び交う文化が醸成されていますか。

・そもそも、「人材開発」が、「経営戦略」プランのなかに位置付けられていますか?人事部の役割が、「採用」「人事評価」「人材研修」に終始していませんか。

 

人材戦略:経営戦略としての「人材マネジメント」を

現在、組織における課題は山積です。トレンドキーワードが、次々と降りかかり、経営は、政策主導の「革新」に追われているのが現状です。ダイバーシティ経営、女性活躍推進、働き方改革、そしてDXです。産業構造変化、社会環境変化のなか、今後更に新たな政策、施策が続くことが予測されます。もちろんすべて、重点項目であり、取り組むべき改革です。一方、直近の利益も上げなければ、改革どころか経営が傾きます。人材研修の見直しや、採用人事の刷新、ましてや組織文化の改革など、着手する余裕がないというのが実情かもしれません。

しかしながら、いまこそ、「人材マネジメント」「人材開発」に、本質的に取り組むべきではないでしょうか。技術革新も、生産性向上も、人材育成も、すべて「ひと」の知恵によるものです。「ひと」が、「要」です。価値は、「ひと」が創り出すものなのです。いまこそ、最もかけがえのない経営資源である「ひと」を尊び、どのように育て、どのように組織を築いてもらい、生産性高い組織文化を醸成していくべきか、真剣に向き合いスタートする時です。

「ひと」が、組織の根幹を築きます。

 

人材マネジメント「SEE理論」

人材マネジメントを包括した「SEE理論」があります(参照;MURAKAMI, Noriko, Development of a Strategic Human Resource Utilization Method, “SEE Theoretical Methodology” Through Function Analysis, 2021)。組織と働く人の有機的つながりが、必須3要素(能力開発、貢献度、活用効率)で定められ、組織視点因子と従業員視点因子により相互に影響、貢献し合う関係図が示されています。

此処で詳細は述べませんが、当3要素に対応して、能力向上、エンプロイー・エクスペリエンス、エンプロイー・エンゲージメントの3つの従業員視点因子が存在し、相関しています。これら3要素を取り残すことなく構築していくことが、「人材マネジメント」の基盤であり、人材マネジメントの戦略的推進に貢献するのです。

現状の組織・人材の姿を捉え、どの要素が欠落しているかを把握することからはじまります。ひとの身体と同じです。悪い箇所が見つかれば、対処していく必要があります。改善し、健康を維持していくことに努めなければいけません。

対処すれば、副作用、つまり逆風が起こることが十分予想されます。逆風には理由があります。「いまのままの組織文化」のほうが、都合が良い人たちが少なくないからです。そこで、あきらめるか、進むかが、未来の組織のあり方にかかってきます。

 

もう一度、確かめてみてください。重要なポイントです。本質的に、捉えることが大切です。

1.「人材教育研修」や「自己啓発推進」のやり方は、変化しましたか?成果が出ていますか。

2.組織内での有機的な人材育成のしくみや文化が、進化しましたか?成果が出ていますか。

3.「人材開発」が、「経営戦略」のなかに位置付けられていますか?成果が出ていますか。

最後にもう一つ、その組織は健全ですか?

 

改革には、現状を打破しあるべき姿に向かい進んでいく、強い信念、勇気と挑戦が必要です。

 

村上紀子